ライター紹介
野本 のもと 昌代 まさよ
獣医師
獣医師、大学院生。野生生物好き。臨床獣医師時代は主にウサギなどのエキゾチックアニマルを担当。ジャングルやサバンナで保全や研究調査のボランティア、研究所のラボやフィールドで研究助手、その他色々を経て、現在大学院で生理学の勉強中。

このライターが書いた記事

すくすく育つ赤ちゃんパンダと腸内細菌叢

2018年8月7日
竹が主食でも、その腸内細菌叢は草食動物より肉食動物に近いとされているパンダの腸内細菌叢の謎は、まだ解明され始めたばかりです。家畜や家禽などでは既によく知られている腸内細菌叢の獲得過程も、まだ十分に明らかにはなっていません…

パンダの腸内細菌叢は竹の消化に適しているのか?

2018年7月24日
パンダといえば竹や笹を食べている、ということは広く知られていますが、彼らはクマの仲間です。クマは雑食または肉食で、肉食動物らしい短い消化管をしています。ということは、パンダの消化管や腸内細菌叢にはクマと大きな違いがありそ…

2型糖尿病の病態にも腸内細菌叢の影あり

2018年5月22日
 執筆:野本 昌代 近年、さまざまな疾患と腸内細菌叢に関わりがあることが多数報告されています。疾患の原因や病態の一貫としてその役割が示されたり、改善の足がかりになる可能性が示唆されたりするなど、その関与はさまざまです。そ…

ヒトにも関係のあるニワトリの細菌叢と感染症

2018年4月24日
ニワトリは、人獣共通感染症の媒介動物であることでも有名です。ニワトリだけではなく、ヒトにも感染して病原性を有するサルモネラやカンピロバクターなどの保菌動物です。その他、様々なウイルスを保有することでも知られています。 こ…

ニワトリの細菌叢が分解した栄養素はどうなる?

2018年3月27日
ニワトリの細菌叢は、さまざまな栄養素を分解し、有益な物質を作っています。炭水化物、タンパク質、脂質に注目して見ていきましょう。 ニワトリのエネルギー源を作る細菌叢 ニワトリでは消化管内の細菌叢が、食餌性の多糖類を分解して…

ニワトリの消化器官、そして腸内細菌叢はヒトと似ている

2018年3月12日
ニワトリは身近な動物です。世界中に240億羽以上もおり、他の鳥類全ての個体数を凌ぐ圧倒的な数です。卵に肉にと、日々さまざまな面でお世話になっている、大変身近な家禽です。もともとは野生種(gallus gallus)ですが…

慢性疲労症候群を腸内細菌叢で診断できるかもしれない

2018年2月27日
慢性疲労症候群(ME/CFS)は、日常生活が損なわれるほどの強い全身倦怠感や、それに付随するさまざまな症状が長期に渡って持続する疾患です。その名前から強い慢性疲労と思われがちですが、そうではありません。2016年に疾患と…

なぜウシのげっぷにメタン?——メタン産生菌の意義

2018年2月20日
今回は、反芻動物の特徴的な菌であるメタン産生菌を主役に紹介します。温室効果ガスであるメタンを産生する菌は、実はウシの第一胃に欠かせない存在です。なぜでしょうか。 げっぷに含まれるメタンの問題 ウシの第一胃にいる微生物は、…

ウシ第一胃にいるのは複雑な関係の細菌たち

2018年2月6日
ウシの第一胃に含まれる微生物の数は膨大で、まるで宇宙です。今回は、その細菌たちの関係についてご紹介したいと思います。人間の社会はとても複雑ですが、胃の中の細菌たちの関係も複雑に相互作用しています。 セルロースを分解して短…

ウシの4つの胃と細菌のヒミツ

2018年1月16日
今回はウシの消化や、それに関わる腸内細菌叢を紹介します。ウシは、草食動物と聞いてすぐに思い浮かぶ動物でもあり、日常生活では乳製品や肉製品と大変お世話になっています。 4つの胃を持つ動物 これまでウサギ、ウマ、コアラと様々…

家畜のgut feeling(直感ならぬ腸感?)研究プロジェクトが発足

2017年12月26日
デラウェア大学に、ニワトリやウシなどの家畜の腸内の健康にフォーカスした研究室が発足したというニュースです。具体的な研究の着目点についてご紹介します。 抗生物質の代替品が注目されている 抗生物質は、畜産において病気から家畜…

高食物繊維・高タンパク質の食事ダイエットの効果は腸内細菌次第?

2017年12月12日
「体重や体脂肪を減らしたい!」そんな願いは世の中に溢れていますし、ダイエット食品は星の数ほどありますが、そんな願いに一筋の光を与えてくれそうな研究結果が発表されました。 「食物繊維を多く含む食事はダイエットに効果がある」…

ハムスターからカンガルーの仲間まで、哺乳類を食糞と発酵で分類してみる

2017年10月17日
これまで、食糞をする動物と、その腸内細菌叢が行う発酵について複数紹介してきました。食糞も腸内発酵も、生物の世界では割とみられる現象だということが、徐々に浸透してきたのではないでしょうか。では、どれぐらい一般的な行動なので…

コアラの食生活と社会行動を決める食糞

2017年10月10日
今回は、コアラの食糞についてご紹介します。コアラは赤ちゃんのみ、一時的に食糞を行います。また食糞か、と思うかもしれませんが、生物の世界ではわりと見られる現象で、特異ではないということでもあります。 赤ちゃんが食べるのは特…

100時間以上かけてユーカリを消化するコアラの腸内細菌叢

2017年9月13日
コアラの消化管における食物の滞留時間は、草食で発酵を行う他の哺乳類と比べて最も長くて平均100時間、中には200時間という報告もあります。こんなに長い理由は、細菌による発酵が関係しているからです。 コアラのスローで効果的…

ユーカリばかり食べるコアラの偏食を支える細菌はどこに?

2017年9月5日
今回は、草食動物の中でもかなり特殊な食性を持つ動物、コアラについて紹介します。むしろ葉食動物と呼びたいコアラ。彼らは、樹木の葉、それもほとんどの動物にとっては毒性をもつ硬いユーカリの葉を主食としています。あの硬い葉を消化…

ウサギにプロバイオティクス——抗生物質の問題を解決できるか?

2017年7月18日
「腸内」と聞いて、どんな場所をイメージしますか? 胃や腸などの消化管は体の中にありますが、口から肛門までの消化管の中は、実は外界と言っても過言ではありません。食事や飲み水などとともに、有益なものも、悪影響をもたらすものも…

母乳が赤ちゃんウサギの感染症対策になっている

2017年7月4日
以前、ウサギの赤ちゃんがどのように腸内細菌叢を獲得していくのかについて紹介しましたが、実はヒトでも赤ちゃんの腸内細菌叢の構築に母乳のはたらきが大きく影響しているようです(記事末の関連記事を参照)。そこで今回は、母乳との関…

ウマの食糞(後編)——生きるための細菌・物質・知恵が詰まった糞

2017年5月30日
前編では仔馬の食糞と細菌叢がどのように構築されるのか、そのダイナミックな変化を紹介してきました。今回の後編では、仔馬の細菌叢のはたらきにも注目してご紹介いたします。 はたらきの異なる細菌は異なるタイミングで増殖を始める …

ウマの食糞(前編)——母親と同じ細菌叢になるために

2017年5月23日
前回はウサギの食糞と腸内細菌叢について解説しましたが、その際にウマとウサギは似ているというお話も少ししました。ウサギ同様、ウマにとっても腸内細菌は無くてはならない重要な存在です。今回は、ウマの少し異なる食糞と細菌叢のはた…

ウサギの食糞(後編)——なぜ赤ちゃんウサギは親の糞を食べるのか

2017年5月9日
前編では、ウサギが十分な栄養素を得るためには個体自身の腸内細菌叢のはたらきが必要不可欠であることを紹介しました。今回の後編では、ウサギのもう一つの食糞である、他個体の盲腸糞を食べることについてご紹介いたします。 母乳を飲…

ウサギの食糞(前編)——なぜウサギは自分の糞を食べるのか

2017年5月2日
ウサギの食糞て何?と聞かれて、意気揚々と立ち上がった元ウサギ担当獣医師の端くれの野本です。初めまして。 臨床獣医師だけでなく、特に野生動物好きが高じて、これまで保全団体や州政府機関などの仕事に参加してジャングルやサバンナ…