ライター紹介
伊藤 いとう けん
科学・映像ジャーナリスト
出版社の映像・展示制作部門で、自然科学系映像、医学・看護学の現職教育映像、自然科学系博物館の展示映像、プラネタリウム番組などの脚本・演出・制作に携わった。さらに本来の専門分野である昆虫学の領域では、雑誌、書籍、図鑑の企画構成や執筆、監修に携わった。その後、大学教員として映像制作をベースとする情報デザイン教育を担当した。2016年には、アリの巣の中で特異な生活をする”ヒゲブトオサムシ”の新種を、共著者としてボルネオから記載した。

このライターが書いた記事

ホストや腸内細菌叢の代謝産物は病原性微生物へのシグナルとしてはたらく!

2017年6月13日
カリフォルニア大学医学部デービス校細菌学・免疫学講座のA. J. Bäumler博士とテキサス大学医学部細菌学・生化学講座のV. Sperandio博士は、『nature』online版2016年7月7日号の腸内細菌叢に…

腸内の栄養環境の変化が病原性微生物の増殖につながる

2017年6月6日
カリフォルニア大学医学部デービス校細菌学・免疫学講座のA. J. Bäumler博士とテキサス大学医学部細菌学・生化学講座のV. Sperandio博士は、『nature』online版2016年7月7日号の腸内細菌叢に…

大腸で栄養素をめぐる病原性細菌と腸内細菌叢の争い

2017年3月28日
カリフォルニア大学医学部デービス校細菌学・免疫学講座のA. J. Bäumler博士とテキサス大学医学部細菌学・生化学講座のV. Sperandio博士は、『nature』online版2016年7月7日号の腸内細菌叢に…

細菌叢の変化を知るために人体細菌叢監視ネット設立を!

2017年2月28日
私たちヒトを対象とする発生生物学では、人体を構成する細胞や臓器などを中心に検討することが多い。しかし人体は、多様な細菌の共存するコミュニティという側面も持っている。ヒトの成長を共生細菌との連携の成果という視点でとらえ直す…

腸内細菌叢の確立を支える母乳の奇跡

2017年2月21日
「分子的な観点に立つと、母乳はヒトが消費する最高の特徴を持つ食品である」。母乳をこのような言葉で定義したのは、ワシントン大学医学部腸内細菌叢・栄養研究センターのJeffrey I. Gordon博士を中心とする研究グルー…

母親の細菌叢は妊娠や出産とどう関係するのか——母体と胎児の細菌生態学

2017年2月14日
人体は、多様な細菌の共存するコミュニティと言える。ワシントン大学医学部腸内細菌叢・栄養研究センターのJeffrey I. Gordon博士を中心とする、ワシントン大学とスタンフォード大学、カリフォルニア大学デービス校の研…

内臓脂肪型肥満は、遺伝する?!―双生児を対象とした大規模プロファイリングから

2017年1月10日
ヒトの腸内細菌叢は間接的に「遺伝」する。そして子へ伝えられた腸内細菌のあるものは、私たちが摂った食物を代謝する過程で炎症や内臓脂肪蓄積の原因になる化学物質を産生し、それが心臓代謝性疾患に繋がっている可能性がある。これを明…

ICUからの帰還を支える腸内細菌叢(腸内フローラ)の多様性―腸内毒素症を制するアイディア

2016年10月12日
ICUの入院患者の腸内細菌叢(腸内フローラ)を健常者のそれと比較すると、入院患者では健康維持に関わりをもつ共生細菌の数多くの分類群が喪失する代わりに、少数の病原性細菌が異常増殖しているという特徴を持っている。重篤な疾患が…

霊長類が教える腸内細菌叢(腸内フローラ)多様性喪失のプロセス

2016年9月29日
現代の西洋型食生活によって、人類が本来持っていた腸内細菌叢の多様性が急激に失われているという証拠が次々と提出されている。ミネソタ大学獣医学部の大学院生Jonathan B. Claytonを中心とする研究チームは、霊長類…

妊娠中の高脂肪食は、新生児の腸内フローラに大きな影響を与えるようだ!

2016年9月13日
ベイラー医科大学のAagaard准教授が率いる研究チームは妊娠第3期の妊婦を対象に、妊娠中および授乳中の高脂肪食が新生児の腸内フローラに与える影響を調査し、その注目すべき結果をGenome Medicine2016年8月…

プレバイオティクスとプロバイオティクスって、なに?―いま改めて正しい知識を!

2016年8月8日
腸の健康に気を使っている方々にとっては、プレバイオティクスもプロバイオティクスもとてもなじみ深い言葉だろう。それぞれの言葉が何を意味しているのか、基礎知識としていま改めて整理しておこう。 プレバイオティクスとは プレバイ…

モノサシに時間軸が追加される!―加齢による腸内細菌叢(腸内フローラ)の変遷

2016年7月26日
6月26日の腸内細菌ニュース「病気を解明するモノサシができた!―日本人腸内細菌叢研究の新たな展開」では、腸内細菌叢の変容(ディスバイオシス)が健康に与える影響を明らかにするために、その基準となる健常な日本人の腸内細菌叢の…

繊維不足の食事はたたる! ― 腸内細菌叢の多様性を支えるもの

2016年7月21日
食物繊維が不十分な食習慣が数世代続くと、腸内細菌叢は不可逆的な影響を受ける。スタンフォード大学医学部のSonnenburg博士を中心とする研究チームがマウスを用いた実験で発見したこの驚くべき事実が、『Nature』誌の2…

生物多様性って、なに? – 腸内細菌叢(腸内フローラ)の間接的な経済価値

2016年7月19日
生物多様性という言葉を耳にする機会がとても増えてきている。この言葉は、大規模開発に伴う環境破壊であったり、気候変動に伴う極端な環境変化であったりと、私たち人類の経済活動が原因となって絶滅の危機に立たされている生物や環境の…

分類ってなに?ー「界・門・綱・目・科・属・種」の話ー

2016年6月27日
2018年8月20日追記: 最初の公開時、分類階級のひとつ「綱(こう)」を「網」と記載していました。お詫びして訂正いたします。 生物の「分類」は誤解されることが多いが、AとBは異なる、BとCは異なる、というように「分ける…

病気を解明するモノサシができた!―日本人腸内細菌叢研究の新たな展開

2016年6月26日
腸内細菌叢が私たちの健康のさまざまな面に深く関わっていることが次々と明らかにされてきた。その中には、これまで生活習慣との関わりが強調されてきた肥満や糖尿病のような代謝系の病気、アレルギーのような免疫系の病気、大腸がん、う…

メタボリック・シンドロームを解消する個別化ソフトウェアアルゴリズムの登場

2016年6月21日
コンピューターが開発したあなた用の理想の健康メニューは、ひょっとするとほかの人の健康を害するかもしれない。そんな可能性を示唆する論文が、米科学雑誌「Cell」2015年11月号に発表された。この研究を進めたのは、イスラエ…