腸内細菌研究

国内外の腸内細菌叢(さいきんそう・microbiome)研究の最先端の論文を厳選してご紹介します。ヒトやマウスにおける疾患との関係を解き明かす研究はもちろんのこと、ウマやウサギなど、さまざまな動物と腸内細菌叢の関係の一端もわかります。

「腸内細菌研究」カテゴリー記事一覧

なぜウシのげっぷにメタン?——メタン産生菌の意義

2018年2月20日
今回は、反芻動物の特徴的な菌であるメタン産生菌を主役に紹介します。温室効果ガスであるメタンを産生する菌は、実はウシの第一胃に欠かせない存在です。なぜでしょうか。 げっぷに含まれるメタンの問題 ウシの第一胃にいる微生物は、…

トレハロースで増えるクロストリジウム・ディフィシル腸炎強毒性株

クロストリジウム・ディフィシル腸炎は偽膜性大腸炎とも呼ばれ、Clostridium difficile(CD)の異常増殖の結果として発生する腸の感染症です。CDは常在性の嫌気性菌であり、健常者の腸内にも存在していますが、…

ウシ第一胃にいるのは複雑な関係の細菌たち

2018年2月6日
ウシの第一胃に含まれる微生物の数は膨大で、まるで宇宙です。今回は、その細菌たちの関係についてご紹介したいと思います。人間の社会はとても複雑ですが、胃の中の細菌たちの関係も複雑に相互作用しています。 セルロースを分解して短…

偽膜性腸炎への糞便移植は「凍結便」でも有効か?

2018年1月23日
偽膜性腸炎は、抗生剤の投与により正常の腸内細菌叢が崩れ、菌交代現象が起こった結果、ある種の菌が異常に増殖することで引き起こされる大腸の炎症です。多くはClostridium difficileによる感染性腸炎の病態を呈し…

ウシの4つの胃と細菌のヒミツ

2018年1月16日
今回はウシの消化や、それに関わる腸内細菌叢を紹介します。ウシは、草食動物と聞いてすぐに思い浮かぶ動物でもあり、日常生活では乳製品や肉製品と大変お世話になっています。 4つの胃を持つ動物 これまでウサギ、ウマ、コアラと様々…

免疫チェックポイント阻害薬の治療効果は腸内細菌叢で決まる?

2017年12月19日
がん治療の分野で新たな治療法として「免疫チェックポイント阻害薬」が注目を集めています。この薬の治療効果と腸内細菌叢の関係に着目した研究が最近の『Science』誌から2報同時に報告されました。今回はその結果を中心に紹介し…

高食物繊維・高タンパク質の食事ダイエットの効果は腸内細菌次第?

2017年12月12日
「体重や体脂肪を減らしたい!」そんな願いは世の中に溢れていますし、ダイエット食品は星の数ほどありますが、そんな願いに一筋の光を与えてくれそうな研究結果が発表されました。 「食物繊維を多く含む食事はダイエットに効果がある」…

シンバイオティクスはアトピー性皮膚炎の治療に有効か?メタアナリシスでの結論

2017年11月21日
腸内細菌は、アレルギー疾患とも関わりが深いことで知られています。前回の筆者のコラム「腸内細菌と喘息とのかかわり——妊娠中のビタミンD投与は乳児の腸内細菌構成に影響を与えるか」では、喘息と腸内細菌のかかわりについてとりあげ…

腸内細菌叢にも24時間リズムがある、時差ボケは肥満につながるかも

2017年11月15日
2017年のノーベル生理学医学賞は「概日リズムをつかさどる分子メカニズムの解明」に貢献した米ブランダイス大学のホール博士(Jeffrey C. Hall)とロスバシュ博士(Michael Rosbash)、ロックフェラー…

神経難病「多発性硬化症」に関わる腸内細菌が見つかった!

2017年10月24日
多発性硬化症(MS)という病気はご存じでしょうか。MSは、脳や脊髄、視神経に炎症性の病変ができ、視力障害や手足の麻痺、感覚障害といった症状が現れる慢性の神経疾患です。このMSについて、米国科学アカデミー紀要から2報同時に…