腸内細菌研究

国内外の腸内細菌叢(さいきんそう・microbiome)研究の最先端の論文を厳選してご紹介します。ヒトやマウスにおける疾患との関係を解き明かす研究はもちろんのこと、ウマやウサギなど、さまざまな動物と腸内細菌叢の関係の一端もわかります。

「腸内細菌研究」カテゴリー記事一覧

シンバイオティクスはアトピー性皮膚炎の治療に有効か?メタアナリシスでの結論

2017年11月21日
腸内細菌は、アレルギー疾患とも関わりが深いことで知られています。前回の筆者のコラム「腸内細菌と喘息とのかかわり——妊娠中のビタミンD投与は乳児の腸内細菌構成に影響を与えるか」では、喘息と腸内細菌のかかわりについてとりあげ…

腸内細菌叢にも24時間リズムがある、時差ボケは肥満につながるかも

2017年11月15日
2017年のノーベル生理学医学賞は「概日リズムをつかさどる分子メカニズムの解明」に貢献した米ブランダイス大学のホール博士(Jeffrey C. Hall)とロスバシュ博士(Michael Rosbash)、ロックフェラー…

神経難病「多発性硬化症」に関わる腸内細菌が見つかった!

2017年10月24日
多発性硬化症(MS)という病気はご存じでしょうか。MSは、脳や脊髄、視神経に炎症性の病変ができ、視力障害や手足の麻痺、感覚障害といった症状が現れる慢性の神経疾患です。このMSについて、米国科学アカデミー紀要から2報同時に…

ハムスターからカンガルーの仲間まで、哺乳類を食糞と発酵で分類してみる

2017年10月17日
これまで、食糞をする動物と、その腸内細菌叢が行う発酵について複数紹介してきました。食糞も腸内発酵も、生物の世界では割とみられる現象だということが、徐々に浸透してきたのではないでしょうか。では、どれぐらい一般的な行動なので…

コアラの食生活と社会行動を決める食糞

2017年10月10日
今回は、コアラの食糞についてご紹介します。コアラは赤ちゃんのみ、一時的に食糞を行います。また食糞か、と思うかもしれませんが、生物の世界ではわりと見られる現象で、特異ではないということでもあります。 赤ちゃんが食べるのは特…

腸内細菌と喘息とのかかわり——妊娠中のビタミンD投与は乳児の腸内細菌構成に影響を与えるか

2017年9月26日
近年の研究で、腸内細菌と、喘息などのアレルギー疾患に関わりがあることがわかってきました。今回は、注目したい論文を2本紹介します。 喘息と授乳、食事、腸内細菌の関係を振り返る 2017年8月に出された総説論文によると、腸内…

100時間以上かけてユーカリを消化するコアラの腸内細菌叢

2017年9月13日
コアラの消化管における食物の滞留時間は、草食で発酵を行う他の哺乳類と比べて最も長くて平均100時間、中には200時間という報告もあります。こんなに長い理由は、細菌による発酵が関係しているからです。 コアラのスローで効果的…

ユーカリばかり食べるコアラの偏食を支える細菌はどこに?

2017年9月5日
今回は、草食動物の中でもかなり特殊な食性を持つ動物、コアラについて紹介します。むしろ葉食動物と呼びたいコアラ。彼らは、樹木の葉、それもほとんどの動物にとっては毒性をもつ硬いユーカリの葉を主食としています。あの硬い葉を消化…

食事と腸内細菌がいかに老化に影響するか

2017年8月22日
前回(腸内細菌が作るコラン酸が線虫の健康寿命を延ばす)にひきつづき、老化と寿命のお話です。今回は、線虫やショウジョウバエを用いた研究から明らかになった、腸内細菌が寿命に影響を与えることを表すいくつかの例をご紹介します。1…

腸内細菌の多様性は体重増加と関係がありそうだ——最新の研究結果

2017年8月8日
以前から、さまざまな研究で示唆されてきた腸内細菌と肥満との関連ですが、今年3月、長期的な大規模観察研究の結果が発表されたのでご紹介します。 Menni C, Jackson MA, Pallister T et al. …