腸内細菌研究
国内外の腸内細菌叢(さいきんそう・microbiome)研究の最先端の論文を厳選してご紹介します。ヒトやマウスにおける疾患との関係を解き明かす研究はもちろんのこと、ウマやウサギなど、さまざまな動物と腸内細菌叢の関係の一端もわかります。
「腸内細菌研究」カテゴリー記事一覧
腸内細菌の多様性は体重増加と関係がありそうだ——最新の研究結果
2017年8月8日
以前から、さまざまな研究で示唆されてきた腸内細菌と肥満との関連ですが、今年3月、長期的な大規模観察研究の結果が発表されたのでご紹介します。 Menni C, Jackson MA, Pallister T et al. …
腸内細菌が作るコラン酸が線虫の健康寿命を延ばす
2017年7月25日
医学の進歩により、現在の日本は4人に1人が高齢者という超高齢化社会に突入しています。そのような社会において、病気をしないで元気に年をとること、加齢に伴う病気にかからないことは、健康を維持するのみならず、膨大な社会保障費を…
ウサギにプロバイオティクス——抗生物質の問題を解決できるか?
2017年7月18日
「腸内」と聞いて、どんな場所をイメージしますか? 胃や腸などの消化管は体の中にありますが、口から肛門までの消化管の中は、実は外界と言っても過言ではありません。食事や飲み水などとともに、有益なものも、悪影響をもたらすものも…
母乳が赤ちゃんウサギの感染症対策になっている
2017年7月4日
以前、ウサギの赤ちゃんがどのように腸内細菌叢を獲得していくのかについて紹介しましたが、実はヒトでも赤ちゃんの腸内細菌叢の構築に母乳のはたらきが大きく影響しているようです(記事末の関連記事を参照)。そこで今回は、母乳との関…
パーキンソン病では短鎖脂肪酸は悪者になる?
2017年6月27日
腸脳相関という言葉があらわすように、腸と脳はたがいに密接に関わっていることが最近わかってきており、その関係の中で腸内細菌叢は大切な役割を果たしています。今回は、神経難病のひとつであるパーキンソン病における腸内細菌の役割を…
ホストや腸内細菌叢の代謝産物は病原性微生物へのシグナルとしてはたらく!
2017年6月13日
カリフォルニア大学医学部デービス校細菌学・免疫学講座のA. J. Bäumler博士とテキサス大学医学部細菌学・生化学講座のV. Sperandio博士は、『nature』online版2016年7月7日号の腸内細菌叢に…
腸内の栄養環境の変化が病原性微生物の増殖につながる
2017年6月6日
カリフォルニア大学医学部デービス校細菌学・免疫学講座のA. J. Bäumler博士とテキサス大学医学部細菌学・生化学講座のV. Sperandio博士は、『nature』online版2016年7月7日号の腸内細菌叢に…
ウマの食糞(後編)——生きるための細菌・物質・知恵が詰まった糞
2017年5月30日
前編では仔馬の食糞と細菌叢がどのように構築されるのか、そのダイナミックな変化を紹介してきました。今回の後編では、仔馬の細菌叢のはたらきにも注目してご紹介いたします。 はたらきの異なる細菌は異なるタイミングで増殖を始める …
ウマの食糞(前編)——母親と同じ細菌叢になるために
2017年5月23日
前回はウサギの食糞と腸内細菌叢について解説しましたが、その際にウマとウサギは似ているというお話も少ししました。ウサギ同様、ウマにとっても腸内細菌は無くてはならない重要な存在です。今回は、ウマの少し異なる食糞と細菌叢のはた…
動脈硬化と腸内細菌叢の研究はここまで来た——20億円規模の研究も進行中
2017年5月16日
前回は動脈硬化と腸内細菌のつながりについて、TMAOという物質を中心にお伝えしました。しかし実際には、TMAO以外にも様々なかたちで腸内細菌が動脈硬化に関わっていることがわかりつつあります。今回は、それらを私たちのデータ…