腸内細菌研究
国内外の腸内細菌叢(さいきんそう・microbiome)研究の最先端の論文を厳選してご紹介します。ヒトやマウスにおける疾患との関係を解き明かす研究はもちろんのこと、ウマやウサギなど、さまざまな動物と腸内細菌叢の関係の一端もわかります。
「腸内細菌研究」カテゴリー記事一覧
ウサギの食糞(後編)——なぜ赤ちゃんウサギは親の糞を食べるのか
2017年5月9日
前編では、ウサギが十分な栄養素を得るためには個体自身の腸内細菌叢のはたらきが必要不可欠であることを紹介しました。今回の後編では、ウサギのもう一つの食糞である、他個体の盲腸糞を食べることについてご紹介いたします。 母乳を飲…
ウサギの食糞(前編)——なぜウサギは自分の糞を食べるのか
2017年5月2日
ウサギの食糞て何?と聞かれて、意気揚々と立ち上がった元ウサギ担当獣医師の端くれの野本です。初めまして。 臨床獣医師だけでなく、特に野生動物好きが高じて、これまで保全団体や州政府機関などの仕事に参加してジャングルやサバンナ…
動脈硬化と腸内細菌叢をつなげる物質TMAOとは?
2017年4月18日
アメリカの細菌学の研究室で「宿主と細菌叢の連関」をテーマに研究をしている笠原和之です。腸内細菌叢はさまざまな健康状態や病気と広くかかわっていますが、今回と次回の2回にわたって、私の研究分野である動脈硬化と腸内細菌のつなが…
大腸で栄養素をめぐる病原性細菌と腸内細菌叢の争い
2017年3月28日
カリフォルニア大学医学部デービス校細菌学・免疫学講座のA. J. Bäumler博士とテキサス大学医学部細菌学・生化学講座のV. Sperandio博士は、『nature』online版2016年7月7日号の腸内細菌叢に…
循環器内科医が腸内細菌を研究することになった理由とは?
2017年3月21日
はじめまして。循環器内科医であり、いまはアメリカの細菌学の研究室で「宿主と細菌叢の連関」をテーマに研究をしている笠原和之です。これから、研究の現場から腸内細菌に関するニュースやトピックなどをお届けしていきたいと考えていま…
細菌叢の変化を知るために人体細菌叢監視ネット設立を!
2017年2月28日
私たちヒトを対象とする発生生物学では、人体を構成する細胞や臓器などを中心に検討することが多い。しかし人体は、多様な細菌の共存するコミュニティという側面も持っている。ヒトの成長を共生細菌との連携の成果という視点でとらえ直す…
腸内細菌叢の確立を支える母乳の奇跡
2017年2月21日
「分子的な観点に立つと、母乳はヒトが消費する最高の特徴を持つ食品である」。母乳をこのような言葉で定義したのは、ワシントン大学医学部腸内細菌叢・栄養研究センターのJeffrey I. Gordon博士を中心とする研究グルー…
母親の細菌叢は妊娠や出産とどう関係するのか——母体と胎児の細菌生態学
2017年2月14日
人体は、多様な細菌の共存するコミュニティと言える。ワシントン大学医学部腸内細菌叢・栄養研究センターのJeffrey I. Gordon博士を中心とする、ワシントン大学とスタンフォード大学、カリフォルニア大学デービス校の研…
内臓脂肪型肥満は、遺伝する?!―双生児を対象とした大規模プロファイリングから
2017年1月10日
ヒトの腸内細菌叢は間接的に「遺伝」する。そして子へ伝えられた腸内細菌のあるものは、私たちが摂った食物を代謝する過程で炎症や内臓脂肪蓄積の原因になる化学物質を産生し、それが心臓代謝性疾患に繋がっている可能性がある。これを明…
ICUからの帰還を支える腸内細菌叢(腸内フローラ)の多様性―腸内毒素症を制するアイディア
2016年10月12日
ICUの入院患者の腸内細菌叢(腸内フローラ)を健常者のそれと比較すると、入院患者では健康維持に関わりをもつ共生細菌の数多くの分類群が喪失する代わりに、少数の病原性細菌が異常増殖しているという特徴を持っている。重篤な疾患が…