ライター紹介
松村 まつむら むつみ むつみ
放射線科医、医療ライター
2003年名古屋大学医学部卒業。国立国際医療センター(現国立国際医療研究センター)にて初期研修、2009年より横浜市立大学市民総合医療センター放射線部、横浜市立大学放射線医学講座助教を経て現在は神奈川県などの複数の病院で勤務。各種ウェブメディアにて医師の視点から、疾患や医療制度、科学についてのライティングを行い、一般読者の医療/科学リテラシー向上につとめている。二児の母。

このライターが書いた記事

大腸がん既往歴のある人の腸内細菌代謝を変える米ぬか

2018年9月4日
食生活は、大腸がんのリスクファクターになり得ることが知られており、遺伝性のないケースでは、食生活による要因が95%占めるといわれています1。 日本でも、食生活の欧米化に伴い、大腸がんの罹患率が上昇してきました。穀物および…

便秘型過敏性腸症候群はプロバイオティクスで治療できるか?

2018年6月19日
担当:松村むつみ 過敏性腸症候群(Irritable bowel syndrome; IBS)は、腹痛あるいは腹部不快感とそれに関連する便通異常が慢性もしくは再発性に持続する状態を示す機能性疾患(器質性疾患に起因するもの…

腸内細菌移植が自閉症の症状を改善することが示唆された

2018年5月8日
執筆:松村むつみ 自閉症と腸内細菌には、腸脳相関を介して関連があると言われています。前回は、プロバイオティクスを摂取して腸内細菌のバランスを整えることにより自閉症の症状を改善するかを検証する、現在進行中の研究を紹介しまし…

自閉症へのプロバイオティクス有効性を検証する研究が進行中

2018年4月10日
自閉症患者では、消化器症状が頻繁に見られることが知られています。自閉症と消化器症状との関連がはじめて指摘されたのは1971年と意外と古く、Goodwinらにより発表されました1)。その後も類似の研究で関連が証明されていま…

偽膜性腸炎への糞便移植は「凍結便」でも有効か?

2018年1月23日
偽膜性腸炎は、抗生剤の投与により正常の腸内細菌叢が崩れ、菌交代現象が起こった結果、ある種の菌が異常に増殖することで引き起こされる大腸の炎症です。多くはClostridium difficileによる感染性腸炎の病態を呈し…

シンバイオティクスはアトピー性皮膚炎の治療に有効か?メタアナリシスでの結論

2017年11月21日
腸内細菌は、アレルギー疾患とも関わりが深いことで知られています。前回の筆者のコラム「腸内細菌と喘息とのかかわり——妊娠中のビタミンD投与は乳児の腸内細菌構成に影響を与えるか」では、喘息と腸内細菌のかかわりについてとりあげ…

腸内細菌と喘息とのかかわり——妊娠中のビタミンD投与は乳児の腸内細菌構成に影響を与えるか

2017年9月26日
近年の研究で、腸内細菌と、喘息などのアレルギー疾患に関わりがあることがわかってきました。今回は、注目したい論文を2本紹介します。 喘息と授乳、食事、腸内細菌の関係を振り返る 2017年8月に出された総説論文によると、腸内…

腸内細菌の多様性は体重増加と関係がありそうだ——最新の研究結果

2017年8月8日
以前から、さまざまな研究で示唆されてきた腸内細菌と肥満との関連ですが、今年3月、長期的な大規模観察研究の結果が発表されたのでご紹介します。 Menni C, Jackson MA, Pallister T et al. …

乳児にハチミツはどうしてダメ?乳児ボツリヌス症について

2017年4月28日
4月7日に東京都は、足立区の生後6ヶ月の男児がハチミツを与えられたことによる乳児ボツリヌス症で死亡した、と発表しました。まだ記憶に新しい出来事ですが、衝撃を受けられた方も多かったのではないでしょうか。 乳児ボツリヌス症の…