イスラエル発の腸内細菌叢検査のスタートアップDayTwoと米国の総合病院メイヨー・クリニックが提携
血糖値が高いと肥満、糖尿病、高血圧になるリスクが増加するのは知られているところです。実は、高い血糖値には腸内細菌叢(腸内フローラ)のバランス異常が関係していることがわかりつつあり、血糖値を正常にするためには腸内細菌叢のバランスを整える食事が重要だと考えられています。
そこで、「腸内細菌叢検査に基づいて、ユーザー個々に合わせた最適な食事メニューをアドバイスする」というサービスを提供するスタートアップDayTwoが注目を集めています。
DayTwoは2015年にイスラエルにて設立され、2016年末には、医療レベルが高いと有名な米国の総合病院Mayo Clinic(メイヨー・クリニック)と提携を結びました。DayTwoはこの提携で、米国の医療現場の顧客開拓を目指します。
DayTwoの現在の事業が成立した背景、そして実際のサービス内容についてご紹介します。
誰に対しても有効な正しい食事療法はない
イスラエルのワイツマン科学研究所のEran Segal博士が率いる研究チームは、同じ食べ物を食べても血糖値の増減は個々人で異なることを研究で明らかにしました。
意外なことに、一般的には健康な食べ物と認知されているトマトを食べても、血糖値が増加する人がいるのです。これは、誰に対しても有効な正しい食事療法はないことを示しています。
そこで、DayTwoはEran Segal博士の研究チームと共同で、腸内細菌叢のDNA情報や身体情報に基づいて、ある食べ物(数千種類)を摂取した場合の血糖値の増減を予測するアルゴリズムを開発しました。
このアルゴリズムによりDayTwoは、正常な血糖値を保つ最適な食事メニューをユーザーに個別に提案できるようになりました。
サービス利用の流れ
1. 糞便サンプル提出
ユーザーはDayTwoサイトに登録後、DayTwoから糞便サンプルキットを受け取ります。糞便サンプル、HbA1c(ヘモグロビン・エイワンシー)値をDayTwoに提出し、簡単な質問に回答します。
2. 腸内細菌叢のDNA解析
DayTwoがユーザーの糞便サンプルに含まれる腸内細菌叢のDNAを解析します。ここまではMykinsoとほぼ同じです。
3. 栄養診断レポートと食事メニューの提案
ユーザーは、DayTwo独自のアルゴリズムに基づいて作成された栄養診断レポート、おすすめの食事メニューをスマートフォン、PCから簡単に見ることができます。
実際のDayTwoの糞便サンプルキットや栄養診断レポートのイメージ画像は以下URLよりご覧いただけます。→ How It Wowks – DayTwo
医療業界で腸内細菌叢への関心が高まっている
DayTwoとメイヨー・クリニックとの提携に見られるように、医療業界で腸内細菌叢に対する関心の高まりが世界的に見られます。医療関係者は、腸内細菌叢検査を、肥満、糖尿病予備軍の疑いがある人、さらに対象広く健康に対する意識の高い人に提供できる新たな予防治療のオプションとして有望視しています。