2017年10月11日

【Mykinso Pro導入例】消化器症状改善の糸口に——きたやま胃腸肛門クリニック(東京都世田谷区)

健康状態や体質だけでなく、心の状態にも関わっている腸内細菌。その状態を知ることができる腸内細菌叢(腸内フローラ)検査サービスには、一般向けの「Mykinso(マイキンソー)」、医療機関を通じて行う「Mykinso Pro」、子ども専用の「Mykinsoキッズ」があります。今回はそのうち、医療機関向けのMykinso Proがどのように活用されているかをご紹介します。

お話しくださったのは、東京都世田谷区桜新町に「きたやま胃腸肛門クリニック」を構える北山大祐先生です。『サザエさん』の作者・長谷川町子にゆかりのある桜新町。駅から徒歩2分という好立地にもかかわらず、落ち着いた環境にあり、温もりが感じられるクリニックにうかがいました。

Mykinso Pro導入のきっかけ

北山先生がMykinso Proの導入を決めたきっかけは、なんだったのでしょうか。

「IBS(過敏性腸症候群)と診断された患者さんのなかには、内服治療などを行っても下痢や便秘、腹痛といった消化器症状が改善しない方がいらっしゃいます。そういった患者さんへのアプローチのひとつになればと考え、導入を決めました」

過敏性腸症候群は、レントゲンや大腸内視鏡検査などを行っても炎症や潰瘍などの異常が見られないのに、下痢や便秘、腹痛などを繰り返す疾患で、ストレスによって悪化します。生活の質が損なわれ、患者さんには大変な苦痛でしょう。

Mykinso Proをどう活用するか

Mykinso Proでは、「腸内細菌叢の型を示すエンテロタイプ」、「腸内細菌の多様性」、「太りやすさ」、そして主要細菌(ビフィズス菌、乳酸産生菌、酪酸産生菌、エクオール産生菌)の割合を知ることができます。これらの結果は、どのように活用できるのでしょうか。

「たとえば、整腸剤を厳密に使い分ける参考にできるでしょう。整腸剤には、乳酸菌製剤、酪酸菌製剤、消化管全体に作用するよう複数の菌が入った配合剤の3種類があります。腸内細菌の割合を見て、不足している細菌を補うという使い方ができますね。また、腸内細菌の多様性が低い患者さんは、偏った食事をしていることが考えられますから、いろいろな食品を摂るように指導できるでしょう」

多様性の高い腸内細菌叢は、変化に強いそうです。さまざまなプロバイオティクス、プレバイオティクスを摂るようにしたいですね。また、特定の細菌を増やす効果のある食品も、徐々に分かってきています。そういった食品の情報は、Mykinso Proの検査結果と一緒に提供されており、患者さんへの指導に活用することができます。

お腹の違和感を放置しないで

Mykinso Proが消化器症状を緩和する糸口になるかもしれないというお話でしたが、これはポリープや大腸がん、炎症がないことが前提です。

「消化器症状には、ポリープや大腸がんなどが隠れている場合があります。お腹に違和感があったら、きちんと大腸内視鏡などの検査を受けて、大腸がんやポリープ、炎症性腸疾患などがないことを見極めましょう」

日本消化器内視鏡学会では、40歳以上の方に大腸内視鏡検査を勧めています。違和感を覚えたら、きちんと受診することが大切なんですね。

Mykinso Proが「患者さんが、別の視点から自分の体を考えるツールのひとつになれば」とおっしゃる北山先生、貴重なお話をありがとうございました。

■病院情報

名称:きたやま胃腸肛門クリニック
所在地:東京都世田谷区桜新町2-2-14
診療科:内視鏡内科・肛門外科・胃腸内科
電話:03-6413-1642
URL:https://www.colopro.jp