2017年4月7日

腸を健康に保つ食事とは――腸活支援プログラム参加レポート

2月25、26日の2日にわたって開催された「伊東温泉腸活支援プログラム」に参加させていただきました。伊東市健康保養地づくり実行委員会が主催したこのプログラムは、ヨガを主体としたストレッチで心身をリラックスさせ、腸を健康に保つ食事についてお話をうかがうというもの。日々の食生活にすぐ取り入れられる、有益な情報を得ることができました。

食事で腸を健康に

腸を健康に保つ食事。キーワードとなるのは、プロバイオティクスとプレバイオティクスです。プロバイオティクスとは、体によい働きをする細菌のこと。そしてプレバイオティクスは、腸内細菌のエサとなる物質を指します。プロバイオティクスを摂取して善玉菌を補充すること、そしてプレバイオティクスで善玉菌を育てることが、腸の健康を支える2本柱なのですね。

プロバイオティクス

プロバイオティクスとは、乳酸菌や納豆菌などの細菌のこと。味噌、納豆、ヨーグルト、甘酒などに含まれています。摂取すれば腸内細菌としてはたらくものの、腸内に留まるのは短時間なので、摂りつづけることが大切なのだとか。また、たとえ生きて腸に到達しなくても便の構成要素になるので、毎日食べたい食品です。

プレバイオティクス

プレバイオティクスは、食物繊維やオリゴ糖、レジスタントスターチ(難消化性デンプン)など、腸内細菌のはたらきを助ける物質を指します。

注目は大麦と納豆

和食を中心に、野菜や海藻類、大豆製品、ネバネバ食品(納豆、めかぶ、オクラ、山芋など)を毎日の食事に取り入れることが大切とのお話でしたが、なかでも注目したいのは大麦と納豆です。

大麦はゆっくりと消化、吸収されるため、血糖値の上昇がゆるやかになります。さらに特筆すべきは、セカンドミール効果。朝食で大麦入りのご飯を食べると、昼食後の血糖値上昇もゆるやかになるとのこと。そして納豆は、プロバイオティクスとプレバイオティクスが一度に摂取できるおすすめ食品です。

実践編! 腸のタイプ別「お助けスムージー」

腸のタイプも抱えているトラブルも、人それぞれ。腸をリセットする「お助けスムージー」を、タイプ別に教えていただきました! 1と2は常温で、3と4は温かくして、噛みながら飲むと効果的だそう。また、ビタミン類は15分で半減してしまうので、できたてをいただくようにしましょう。

 (1)腸!健康型

水溶性食物繊維、不溶性食物繊維をバランスよく取り入れるのがおすすめです。

豆乳 100 mL
キウイ(水溶性食物繊維) 1/2個
ほうれん草(不溶性食物繊維) 1束
かぶ(不溶性食物繊維) 1個
ゆで大麦 大さじ1
ヨーグルト 大さじ2
乳酸菌飲料 1本

(2)ゆるゆる型:排便が週2回以下で、ころころした黒っぽい便が出る人

原因は、運動不足による筋力低下、ダイエットや水分不足など。このタイプの人は、水溶性食物繊維をたくさん入れるのがポイントです。

豆乳 100 mL
りんご(水溶性食物繊維) 1/4個
にんじん(不溶性食物繊維) 50 g
ゆで大麦 大さじ1
ヨーグルト 大さじ1
乳酸菌飲料 小さじ1
(あれば)亜麻仁油 小さじ1

(3)ストレス型:常にお腹が張っているタイプ

原因は、ストレスや自律神経の乱れ、便秘薬の多用。腸が過敏になっているので、食物繊維はほどほどにして、発酵食品プラス温かいもので胃腸を休めることが大切です。

豆乳 100 mL
甘酒 125 mL
ほうれん草(不溶性食物繊維) 1束
ゆで大麦 大さじ1
抹茶 小さじ1

(4)下痢型:下痢や軟便が多い、風邪を引きやすい人

ストレスも原因になりますが、そもそもの体質や神経質な性格が背景にあります。食物繊維を少なめにして胃腸をいたわり、身体を内側から温めるスムージーがおすすめです。

200 mL
かぶ(不溶性食物繊維) 1個
大根 30 g
はちみつ 大さじ1
しょうが 小さじ1

和食中心なら無理なく続けられるかも

腸の健康は一日にしてならず。毎日のことなのであまり手が込んだことはできませんが、味噌や納豆は発酵食品であり大豆製品ですから、和食を中心にすれば無理なく続けられそうですね。ちなみに、この日の「腸活メニュー」は、次のとおりでした

  • 大麦ご飯に山芋、メカブ、オクラを載せたネバネバ丼
  • 豆乳味噌汁
  • ひじきの梅和え
  • ごぼうのごま味噌和え

プロバイオティクスとプレバイオティクスを毎日の食事に取り入れる腸活で、より健康な腸内環境を目指したいですね!